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NEW
STATESMAN :1988年8月12日
カバー、10〜12ページ
誰かが聞いている
……そして彼らは個人のプライバシーや商売の信頼について少しも顧慮しない。
プロジェクト415は、極秘の新しい全世界的監視システムである。それは英国だけで年間10億の電話を盗聴することができる。21世紀にスパイはどのように入ってくるか、ダンカン・キャンベルの内部報告……
彼らは録音していた
盛んになりつつある監視産業において、彼らは、秘密の障壁によって守られ、数十億ポンドもの極めて高価な技術で強化されて、いつでもお望みのときにお望みの人をスパイする。私たちのほとんどをほとんどいつでも盗聴できるようにする21世紀のための全世界的電子スパイ・システムについて、合衆国からダンカン・キャンベルが報告する。
アメリカ、英国、連合諸国の諜報機関は、間もなく全世界的電子監視システムを、数十億ドルもの規模で拡張し始めることになっている。最近、秘密裏に合衆国連邦議会に与えられた情報によれば、監視システムによって政府機関は21世紀中に民間通
信を監視・分析できるようになる。 当面はプロジェクトP415として特定されるこのシステムは、合衆国国家安全保障局(NSA)によって運営されることになる。
しかし、他の多くの国々の諜報機関は、英国、オーストラリア、ドイツ、日本――それに驚くことに、中華人民共和国からのネットワークを含む新しいネットワークと密接に関係するであろう。
新しい人工衛星ステーションと監視センターが世界中に建てられることになっており、新しい人工衛星の鎖が始動している。そのため、NSAとその英国の同種の機関、チェルトナム(Cheltenham)にある政府通
信本部(GCHQ)は、急成長している国際遠距離通信トラフィックと並行し続けることだろう。
プロジェクト P415 ネットワークで最大の海外ステーションは、ヨークシャー州Harrogate近くにあるMenwith
Hillの合衆国人工衛星通信基地である。 それはNSAによって秘密で運営され、英国の主な国内・国際通
信ネットワークのすべてにアクセスしている(New Stattesman, 1980年8月7日)。
Menwith Hillのような高度先端技術ステーションは主に国際通信を監視することを意図したものだが、合衆国の専門家によると、その能力は国内トラフィックに向けることができ、またそうされてきたという。Menwith
Hillは、特にお粗末な汚職と国内電話監視について、元従業員によって訴えられた。
巨大な国際的・全世界的盗聴ネットワークは、第2次大戦後すぐ、合衆国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド信号諜報(シギント)に関する秘密協定に署名したときから存在した。通
信信号の電子監視は、戦中と同様、戦後の秘密諜報の最大・最重要形式であり続けるであろう、と正確に予想されていた。
分析者が「重要な」情報を含んでいる可能性のある何十億という電話その他の信号すべてを聞くことは不可能であり、ごく一部しかできないが、英国その他の場所にある監視ステーションは、すべての国際通
信回路と一部の国内通信回路を盗聴することができ、興味深いメッセージをふるい分けることができる。コンピューターは、自動的にすべてのテレックス・メッセージやデータ信号を分析し、また、どの国からのものであっても、電話を特定する、つまりロンドンにいる標的の電話番号を特定することができる。
UKUSA(UK-USA)と呼ばれる秘密の盗聴協定は、地球の各部分を参加機関に割り当てている。チェルトナムにあるGCHQは、ヨーロッパ、アフリカ、ソ連(ウラル山脈の西)のための調整センターである。
NSAはソ連の残りとアメリカの大部分をカバーする。
オーストラリア――もう一つのNSA盗聴ネットワークのステーションは、奥地に位
置している――は、南太平洋と東南アジアの電子監視を調整している。
1万5000人の職員と5億ポンドの予算(新Zirconスパイ衛星を除いて)を有するGCHQは、英国諜報の最大機関である。歴代英国政府は、ロシアの軍事的のシグナルに対してであろうと、もっと簡単な商用・私的な民間の標的に対してであろうとも、盗聴能力に高い価値を置いてきた。
新しい監視システムと既存の監視システムは、どちらもコンピューター化されている。
それらは、標的となった人物の電話その他の通信の場所を突き止めるため、国際商業通
信と人工衛星通信のほとんど完全な通信傍受を当てにしている。 先月、合衆国の新聞 "The Cleveland Plain Dealer"紙は、このシステムが合衆国上院ストロム・サーモンド(Strom
Thurmond)議員の電話を標的として使われていたことを暴露した。南部共和党員にしてレーガン政権の確固とした支持者であるサーモンド議員が標的とされてきた事実は、NSAが国内の電子的監視プログラムを復活されたというおそれを抱かせた。これらはもともと、ウォーターゲート捜査のあいだに暴露・批判されたものであり、カーター大統領によって中止が命令されたものであった。
NSAに話をした後、サーモンド議員は、Plain Dealer紙に、申し立ては信じられないと語った。しかし、右翼共和党員サーモンド議員は、ボートを揺り動かしたくはなかったのかもしれない。諜報に関する常設特別
委員会委員は、関与するすべてのシステムが「最高保全分類」であったにもかかわらず、職員が「それを深く調べていた」と述べた。
その国会職員は、サーモンドから、ロッキード宇宙ミサイル会社の元職員であるカリフォルニア州サニーヴェール在住のマーガレット・ニューシャム(Margaret
Newsham)による盗聴のことを初めて聞かされた。ニューシャムはもともと、他の合衆国政府の「黒」いプロジェクトについて、別
の証言をし、訴訟をしていた。彼女は、NSAのために信号諜報コンピューター、人工衛星、通
信傍受装置を製造している英米の二つの企業、すなわちフォード・エアロスペースとロッキードで働いていた。レーガン大統領が署名した特別
政令を引用して、彼女は先月、ジャーナリストには機密情報を話すことはできないし、話すつもりもない、と私に語っていた。しかし、ワシントンの情報源(とPlain
Dealer紙)の報告に拠れば、彼女は合衆国下院議員に、サーモンド議員ット宇弔辞意見はMenwith
Hillで起こったものであり、彼女は個人的にその電話を危機、その詳細を伝えることができた、と述べたという。
それ以来、調査者は他の証人を召喚し、エシュロン・システムその他の関連プロジェクトについての完全な計画とマニュアルを供給するように依頼した。計画と青写
真は、合衆国の政治的な人物を標的とすることは偶然に起こったことではなく、その最初からシステムに設計されていた、ということを示しているという。
Menwith Hillで働いているとき、ニューシャムさんは基地で監視された電話会話をイヤホンで聴くことができたという。彼女が聞いた他の会話はロシア語のものだった。
Menwith Hillを離れてからも、彼女は、エシュロン・システムを運営するMenwithの1ダース以上のVAXコンピューターのためのソフトウェア・マネージャーとしての地位
から、Menwith Hillオペレーションの完全な細部にアクセスし続けた。
ニューシャムは先月、自分の経歴についての機密に属する詳細については、許可された国会職員を除いては話すことを拒否した。しかし、資金が他の防衛プロジェクトの予算に隠されている大規模ないわゆる「ブラック」合衆国諜報プログラムに彼女が取り組んでいたことは公的に認められた。彼女は、汚職とセクシャル・ハラスメントについての不平を言ったため、4年前にロッキードから解雇された。
ロッキードは、彼女が、pook(ママ)の計時係であったと主張し、「ブラック」プロジェクトについての汚職の告発を否定した。しかし、彼女が行ったと報じられている多くの裁判――フットボール賭博のため、あるいは広範囲な商品を職場から売るために極秘コンピューターの使用、会社による計画的で大規模な不当な高値と浪費など――は、防衛調達についてのさらに継続する広いスキャンダルの小さな要素にすぎない。請負業者によって不当な高値を付けられたというニューシャムの証言は現在、国会の主要な調査対象となっている。
マーガレット・ニューシャムとは関係のない合衆国情報源から、我々は、Menwith
Hillにおけるオペレーションについての初めての主要な機密プロジェクト・リストを手に入れた。
この基地は、現在1200人の職員がいるが、その3分の2以上はアメリカ人である。エシュロン・コンピューター・ネットワーク以外に、Menwith
Hillにおける主要プロジェクトは、SILKWORTH、MOONPENNY、SIRE 、RUNWAY、STEEPLEBUSHというコードネームを付けられている。
ステーションは、BIG BIRD(大鳥)と呼ばれる人工衛星からも情報を受け取っている。
プロジェクトSILKWORTHは、専門家によれば、Menwith
Hillからの長距離無線電信監視のコードネームである。 MOONPENNYは人工衛星通
信監視システムである。RUNWAY(滑走路)は、現在ソ連上空軌道にあるVORTEX(竜巻)と呼ばれる人工衛星通
信を盗聴するための制御ネットワークであると考えられている。この基地はもともと、CHALET(シャレー)と呼ばれる類似の人工衛星シリーズを制御していた。新しいSTEEPLEBUSH制御装置センターは、最新最大の上空盗聴衛星に関連があるようだ。合衆国諜報提供者によれば、これらはMAGNUMというコードネームを付けられている。
BIG BIRDは通常はMenwith Hillと関係ないが、低軌道写
真偵察衛星である。しかし、調査者は、BIG BIRDについて知るために必要な秘密情報使用許可の詳細から、この人工衛星――そして実のところ「気象衛星」などと偽装された他の多くの衛星――が、盗聴装置を搭載していることを割り出した。そのようなシギント・パッケージの一つが、表向きは民間目的であったにもかかわらず、かの不幸なスペース・シャトル、チャレンジャー号に積まれていたといわれている。
最近発表された合衆国国防省1989年予算情報では、Menwith
Hillスパイ基地が、2600万ドルもの拡大プログラムの対象ということが確認される。
2月に議会に与えられた情報では、Menwith Hillにおける主要オペレーションビルその他の施設の4年間の拡大計画の詳細がリストアップされていた。
証言は「機密の場所」だけにしか触れていないが、この基地は STEEPLEBUSHへの言及のために識別
することができる。 この証言によれば、新しい STEEPLEBUSH II プロジェクトは、今年と1993年の間に1500万ドルの費用がかかる。
この拡大は、超満員になることを避け、「拡大される機密任務を支援する」ために必要とされている。
NSAがGCHQと共同してジェーン・フォンダやベンジャミン・スポック博士のような反ベトナム戦争のリーダーたちの国際通
信を定期的に盗聴してきたことが、ウォーターゲート事件のあいだに暴露された。別
の標的として、ブラック・パンサー(黒豹党=黒人解放運動結社)の元党首エルドリッジ・クリーヴァー(Eldridge
Cleaver)がいた。それから1970年代後期、カーター大統領がNSAに対して、チェルトナムのGCHQと諜報データを交換することによって合衆国の政治的人物についての「裏口」諜報を入手することをやめるよう命じていたことが明らかになった。
新しいP415ネットワークで開発されている重要なステーションの中には、主にGCHQによって運営されているコーンウォール州Bude、ドイツのBad
Aibling、中華人民共和国内の二つの場所(ソ連監視のみに使われる)がある、と情報源は指摘した。西側諜報機関は、植民地が10年後に中国に変換されるとき、香港のChung
Hom Kokにある最近改良された英国諜報盗聴ステーション(現在中国を盗聴している)の代わりをどうするか、という問題を解決していない。
オーストラリアで3カ月前、ニュージーランド国防大臣Bob
Tizardは、1990年代前半に計画されている二つのオーストララシア(オーストラリア、ニュージーランド近辺)通
信傍受ステーションはインドやインドネシアといった第3世界諸国によって打ち上げられた新しい通
信衛星を標的とするであろう、と明らかにした。 新しい人工衛星スパイ基地は、オーストラリア北部のGeraldtonと、ニュージーランドのBlenheimにある。
コーンウォール州Bude近郊のMorwenstowにある類似の英国スパイ基地は、1980年代を通
じて拡大し続け、巨大な合衆国分析コンピューターも準備した。
もしマーガレット・ニューシャムの証言が進行中の国会調査で確証されるなら、NSAは合衆国法のもとで不法に振る舞ってきたということになる――サーモンドの電話は完全に偶然に傍受されたのであるか、極めて愛国的な上院議員が実は外国のスパイだのテロリストだのであるかを証明できないのであれば。さらに、Menwith
Hillとコーンウォール州MorwenstowからのNSAの国際電話盗聴事業が英国内で合法でありえるのは、アメリカ諜報機関が盗聴からの情報を与えられるべきである、もしくは与えられてもよいという特別
令状が国務長官によって発行されている場合に限られる。これは確証されない。政府は常に、特定の通
信傍受令状の標的や受取人の詳細の発表を拒否しているからである。
Menwith Hill基地が最初に作られたとき、電話盗聴を規制したり、無許可の通
信傍受(外国の諜報機関によるようなもの)を違法とする英国法は存在しなかった。現在は存在している。そして、英国領土からのアメリカ人による遠距離通
信傍受は、適切な令状なくしては明らかに非合法だ。
新しい通信傍受法が1985年に通過したとき、それは明らかに、英国宛・英国発の国際通
信すべてを一網打尽にするエシュロンやプロジェクトP415のようなオペレーションのために特別
な準備をするように意図されたものであった。この法の特別な章、第3章(2)は、もし「国家安全保障の利益において」あるいは「連合王国の経済の健全さを保つ目的のため」であるならば、いかなる一般
の形式の英国宛・英国発の国際メッセージを通信傍受するためであろうとも令状発行を可能とするものである。このような令状は、GCHQが、望むメッセージを選択するために選ばれるケーブルまたは人工衛星上を通
過するその他すべてのいかなる通信をも盗聴することをも許可する。このため、アメリカ機関が私的な英国の通
信を傍受することを英国政府の令状が合法的に認めていようといまいと、英国基地も英国法も、国際遠距離通
信監視において増大しつつある産業を抑制するのではなく、奨励するよう意図されたものであることは間違いない。
英米両国の国内通信も、エシュロン・ネットワークによって標的とされ、盗聴されている、と合衆国の調査者は聞いた。
これらの機関は、標的化・通信傍受のためだけではなく、英国国内通信の監視においても共同作業してきたとされている。
チェルトナムのGCHQからの特別チームは、ここ数年間、密かにサンフランシスコ近郊のシリコン・バレーにあるコンピューターセンターに飛んで、国内・国際通
信傍受を実施する特別コンピューター・システムの訓練を受けている。
サンフランシスコ近郊のセンターは、GCHQの中国版である人民解放軍参謀部「技術課」からの職員を訓練するためにも使われてきた。この課は、ソビエトのシベリア国境に接する新疆ウイグル自治区にある二つの超機密の合衆国・中国合同盗聴ステーションを運営している。このような監視システムは、ソビエトまたはワルシャワ条約機構の信号、またスパイ活動やテロに関係している疑いのある者を標的とするためだけに使われているという。しかし、エシュロンに関係している人たちは、標的になりうる人たちには法的な制限がないということを議会に強調してきた。そして私は、下級諜報職員が、そうする権限についての何のチェックもなしにすべてのレベルで標的となった名前をシステムに入力することができると聞いた。国会調査に証言している証人たちは、民主党大統領候補ジェシー・ジャクソンが標的になっていたかどうかについて論じてきた。ある情報源は、そうだと述べている。製造業者からの試験技術者でさえも、一般
市民の通信を盗聴することができる、と調査者は言われた。
しかし、レーガン大統領によって署名された特別政令のために、そのような政治的に機密性の高いオペレーションについて知っている合衆国諜報スパイたちは、もし公言したら――アメリカ合衆国憲法の言論出版の自由の保護にもかかわらず――実刑判決を受けることになる。英国では、周知のとおり、政府は公職秘密法を引き締める課程にあり、すでに発行されている情報や、海外で最初に明らかにされたものであったとしても、いかなる諜報職員からの情報も自動的に犯罪としようとしているのである。
Copyright (C) New Statesman
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参考文献一覧:
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1:http://jya.com/nsa-4th.htm
1975 合衆国上院 (Churchレポート) "The National Security
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