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アジア・太平洋軍事・諜報ニュース
00-205号より
●日本の新しい空の目
Stratfor.com's Global Intelligence Update - 15
August 2000
http://www.stratfor.com/SERVICES/giu2000/081500.ASP
○要約
朝日新聞によれば、東南アジア海域において増加する海賊に関連して、日本の海上保安庁は、2機の長距離偵察機を要求することを計画している。単純に、本国から離れた哨戒飛行を計画することは、日本軍の発展における重大な一歩である。しかし、哨戒は、はるかに重大な能力を偽装するかも知れない。つまり、中国及び東南アジア沿岸に沿ってスパイするための洗練された新世代偵察機の使用の可能性である。
○分析
東南アジア中において、商業船舶に対する公海上の海賊は、増大しつつある関心事である。クアラルンプールの海賊報告センター(Piracy
Reporting
Center)の1月の報告は、マラッカ及びシンガポール海峡を、世界で最も危険な水域と呼んだ。商業船に対する襲撃は、東京政府の関心事でもある。運輸省筋によれば、過去11年間における141件の日本船に対する海賊攻撃の内、約100件は、東南アジア沖で起こっている。
それと関連して、報告によれば、海上保安庁は、日本からマラッカ海峡までの7,500マイルを往復飛行できる2機のジェット偵察機を購入するために、1千万ドルの予算を要求することを計画している。朝日新聞は、海上保安庁は、東南アジアに着陸を要求する機体を買わないとリポートした。日本の既存の航空機を除外して、海上保安庁は、数種類の新しい商用長距離機の1機に関心を見せているようである。適切な監視及び電子装置を搭載すれば、このジェット機は、任務に適合するだろう。
しかし、海上保安庁にとって新しいこの任務は、東京に重要な潜在的情報能力も提供する。日本から発議された対海賊任務は、中国、台湾及びベトナム沿岸を包括するだろう。そのような監視は、日本の安全保障分野の緩慢であるが堅実な再定義、並びに本国から離れて部隊を運用することの政府による最近の発表と一致する。
インドネシア、マレーシア及びシンガポールを分離するマラッカ海峡の監視の外、海上保安庁は、捜索作戦を遂行し、日本沿岸近くを潜航する中国のスパイ容疑船を監視するために、非武装機を使用すると語った。しかしながら、既に、日本は、海上哨戒に適した著しい機体を有している。海上保安庁が新しい長距離機を加えることを必要とすることは、奇妙に思われる。
海上保安庁と密接に協力する海上自衛隊は、対潜哨戒と船舶航路の追跡にも適した約100機の米国製P-3オライオンを有する。航空自衛隊は、空中警戒及び管制機として適した2機のボーイング767を運用している。これらの機体は、水上目標の追跡にも適している。類似の米空軍のジェット機は、メキシコ湾及び太平洋において、麻薬の密輸を追跡している。
しかしながら、どちらの機体も、マラッカ海峡へ往復飛行し、道草を食わず、無着陸で帰還する足を持っていない。また、日本軍は、現在、空中給油する能力を有していない。東南アジアに既存の機体を着陸させることは、第二次大戦の後遺症という、なおデリケートな政治問題であるが、それは、益々小さななものとなっている。例えば、シンガポールは、緊急時、日本機が軍事基地を使用する許可を与えている。また、東南アジア諸国も、海峡における多国籍哨戒に日本が参加することを認めることで、原則的に合意している。結果として、既存のP-3は、着陸権が保障される限り、使用され得る。
既に、海上保安庁は、比較的困難かつ高価な解決を採用することを選んでいる。何故か?
戦略的意義において、東京は、その55年前の自衛ドクトリンを拡大している。日本は、益々、地平線を超えて、国防だけではなく、その死活的利益の防衛までも拡大するために、この概念を再定義している。過去数年間において、政府は、危険に曝された在外日本人を救出するために、その部隊を使用することを宣言している。政府は、特殊作戦部隊に対する支出を増加している。そして今年初め、国会は、平和主義憲法の公式再検討を宣言した。
新しい長距離ジェット機は、重要な新しい情報収集のための潜在力を日本軍に提供する。岩国海軍基地から始まった任務は、時を要せず、容易に中国沿岸へと続き得る。広大な内陸地域は、人民解放軍の飛行場、補給処、ミサイル施設及び海軍施設の大部分を含む。同任務は、係争中の南沙諸島上空を容易に飛行し、ベトナムのカムラン湾の港湾に関する情報を拾い上げることができる。
センサー装置次第では、新しい機体は、他国の領空外に滞空しつつ、写真偵察を遂行し、電子送信を傍受し、他の情報を収集することができる。空中警戒・管制システム(AWACS)は、定期的にルックダウン・レーダーを照射する。新しいアップグレード版のAWACSは、小型、ステルス目標を発見することができるパッシブ探知システム及びパルス・ドップラー・レーダーを含む。米国のE-8Cジョイントスターのように、異なる環境のレーダー統合体は、120マイル以上離れた地上目標を見ることができる。
より大きな空中監視は、米国からの情報への依存という、日本にとって厄介な問題を解決する助けとなる。1998年に北朝鮮がミサイルを発射したとき、日本政府は、米国から情報を適時に受領しなかった。ワシントンは、地域におけるミサイルプログラムに係わっている東京への情報の流れを明白にコントロールしている。
日本にとって現実的な解決は、独自のスパイ衛星群の開発である。既に、シンガポール及びトルコのようなより小さな、発展途上国は、独自のシステムに取り組んでいる。しかし、ワシントンは、影響力を失うことを嫌い、日本における過程を妨害するのにベストを尽くしている。クリントン行政府は、小渕前首相の下、前政権の高級官僚からの提案すら拒絶している。
一方、より大きな空中偵察は、日本の情報ギャップを埋める助けとなり得る。
○キー
キーワード(キー)は、人名、艦艇、組織、国の名前、並びに典型的な用語等、様々であり得る。キーに役立つのは、私人、ビジネスマン、組織又は政府機関に属する電話及びファックスの加入者番号、メール・アドレスである。コンピュータ「辞書」において、キーは、通常、本文の要素に含まれ、必要な情報の検索を容易にする。キーの一定の組合せは、価値ある情報を選び出すだけではなく、不必要なものをふるい落とす可能性を与える。この全システムは、「エシェロン」共同体加盟国間の責任分野又は地帯の割当に関しても決定するNSAが管理する。
ニュージーランドの端末を通過した情報が、処理後、他の消費者の下に去った場合ですら、GCSBのコンピュータは、傍受の時間及び場所を記録し、そのような各「発信者アドレス」は、受信通信所で記録される。必要な場合、この基礎データは、消費者により検査され得る。キーを有さない残りの「プロセス参加者」に対して、当該データは、無記名である。彼らは、国家安全保障の利益を動機とした照会によってのみ、それへのアクセスを受け取る。
恐らく、「エシェロン」の活動調査の唯一の事例となったのは、共和党上院議員ストロム・テルモンドの電話会話の盗聴に関する記事を掲載したアメリカ、クリーブランドの新聞「プレイン・ディーラー」1988年7月号だった。可能性のある電子傍受の場所は、全世界的ネットの英国要素であるメンウィズヒル通信所だった。「エシェロン」に関する補足情報は、システムを維持する10以上のコンピュータが存在したメンウィズヒル通信所で働いていたマーガレット・ニューセンが、米下院委員会に語った。1992年6月、GCHQ現役職員のグループは、「オブザーバー」紙記者に情報提供し、「アムネスティ・インターナショナル」及び「クリスチャン・エイド」のような尊敬すべき組織に対する英国諜報部のスパイ業務について打ち明けた。キーを利用した検索システムがいかに動作しているかについて、若干の詳細も表面化した。しかし、当時、社会は、「辞書」が5ヶ国の電子諜報部同盟全体の財産であることをまだ知らなかった。このようにして、「エシェロン」のスパイ作戦に、ニュージーランドも参加していることを推定することができた。しかしながら、これに関する正確なデータは、ニキ・ヘーゲルの意見によれば、GCSB指導部の数名しか有していない。
同盟の通信所における各「辞書」は、独自の「狭義の」専門に応じて、コードネームを受け取る。タンギモアナ施設におけるキーのリストは、FLINTLOCKとコードネームを付けられた。恐らく、今日、「エシェロン」におけるGCSBの役割は、既に90年代にあったようなものではないだろう。半年間のみ権力の座にあったヘレン・クラークを首班とするニュージーランド政府は、軍事ブロックへの不参加の方針の支持を確認した。しかしながら、あらゆることから判断して、労働党内閣は、FLINTLOCKの錠前のキーを有していない。全世界的システム「エシェロン」が活動している限り、恐らく、ニュージーランド諜報部のスパコンは、電話上の会話を「研究」しているだろう。
実際、問題が同盟国における「若き妹」としてのニュージーランドの国家安全保障問題に係わるとき、決定は、ウェリントンだけでは行えない。専門家の意見によれば、各国現行政府のいずれも、一連の同盟義務全体を考慮せざるを得ない。約130の常設委員会及び作業部会は、当監督問題を取り扱っている。電子諜報同盟は、この「秘密権力」の最も強力な層である。
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